2001年ノーベル化学賞受賞者で科学技術振興機構研究開発戦略センター長の野依良治氏をお招きし、2月19日(月)、特別文化講演会を開催しました。
本校高1•高2の2学年を対象にした講演会でしたが、当日は外部からのご招待者や本校教職員も聴講。広い小寺ホールに聴講者がひしめき合う状況のなか、野依氏の貴重なお話を聴かせていただきました。
ノーベル賞を受賞されたご自身のご研究内容にはじまり、研究者になられるまでの歩みや科学技術の本質、さらには科学技術を軸にしながらこれからの時代をどう捉え、私たちはそれにどう向き合っていけばよいのかといった人類規模での提言まで、現代最先端の知的課題が凝縮されたような60分間。
高校生にもわかりやすくお話しいただいたことで、会場にいた誰もが科学的な知的好奇心と社会的•時代的な知的探究心を掻き立てられた講演となりました。
また、本講演の終了後には野依氏と本校高校生による座談会も開催。こちらも科学談義に大いに花の咲いた、充実した時間となりました。
なお、本講演の内容に関しては、あらためてスペシャルコンテンツ「特別文化講演会・スポーツ講習会」のページ上で詳報いたします。
三田学園高等学校特別文化講演会
テーマ:「私が歩んだ道、君たちが創る社会」
講 師:野依良治氏
野依良治氏 プロフィール
1938年、兵庫県生まれ。第二次世界大戦終了後、復興途上の日本で初のノーベル賞に輝く湯川秀樹博士に憧れ、科学に目覚めた。やがて「ナイロンは石炭と水と空気からできる」と知り、化学の力に感動し、研究者の道を志す。京都大学大学院工学研究科工業化学専攻にて修士課程を修了。名古屋大学教授、理化学研究所理事長を経て、現在は科学技術振興機構研究開発戦略センター長を務める。2000年、文化勲章受章。翌2001年「キラル触媒による不斉反応の研究」により、K・バリー・シャープレス教授、ウィリアム・S・ノールズ博士とともにノーベル化学賞を受賞。
主な著作
『研究はみずみずしく ノーベル化学賞の言葉』名古屋大学出版会 2002
『人生は意図を超えて ノーベル化学賞への道』朝日選書 2002
『事実は真実の敵なり 私の履歴書』日本経済新聞出版社 2011