理事長メッセージ

2025.01.01 学園通信

 新年あけましておめでとうございます。

 令和7年の幕開けにあたり、皆さまとともに新しい年を迎えられることを心より喜び申し上げるとともに、平素より本学園の教育活動に多大なるご理解とご支援を賜り、深く感謝申し上げます。

 さて、昨年の世界情勢を振り返ると、地球規模の課題である気候変動への取り組みが各国で加速する一方で、地政学的な緊張やエネルギー問題の継続、さらにはAI技術の進展に伴う社会構造の変化が注目を集めました。日本国内では、少子高齢化の進行や経済の持続的発展を見据えた政策対応が求められる中、教育分野では次世代の育成に向けた改革が進められています。
 このような状況下、三田学園では「中期事業計画アクションプラン2030」に基づき、教育と学内運営の改善、改革に取り組んでまいりました。特筆すべき成果として、教員の働き方改革に向けた新たな試みとして変形労働時間制を導入し、研修日を設けることで教員の専門性向上と心身の健康維持を両立させる取り組みを開始しました。また、国際化の深化を目指し、米国高校卒業資格を留学せずに取得できるDDP(Dual Diploma Program)をスタートさせたことは、本校の国際教育における大きな進展といえます。
 これらの改革は、生徒一人ひとりが未来社会で活躍するための基盤を築くものであり、「アクションプラン2030」の成果を示すものです。しかし、これで満足することなく、教育の本質を見つめ直し、「自ら学び、考え、行動する」力を持つ生徒の育成を目指してさらに改革と改善を進めてまいります。そのためには、教育内容の充実に加え、地域や国際社会との連携をさらに強化し、多様な学びの場を提供することが求められます。校祖小寺謙吉先生が普段から教員、生徒に語られていたお言葉「人のお世話にならぬ様、他人のお世話をする様、報いを求めぬ様」を今一度胸に刻みながら、教職員一同で教育の使命を果たしてまいります。

 最後に、本年が皆さまにとって実り豊かな一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

 

令和7年元旦 
理事長 丸泉 琢也