春の訪れを感じる穏やかな気候、雲ひとつなく晴れ渡った空。
まるで地球もお祝いしてくれているかのような絶好のコンディションの下、3月19日(金)に本校中学の卒業式を行いました。
今年度の卒業生は107回生・247名。中高一貫6年間の通過点とはいえ、彼ら彼女たちにとっては義務教育を終え、次のステージに踏み出すための大切な節目です。
先月の高校卒業式と同様、式典は卒業生と教職員だけによるコンパクトなスタイル。万全の感染症対策を施した会場の小寺ホールでは、卒業生たちが開式前にすでに着席し、保護者の方限定でリアルタイムに動画配信も実施しました。
開式の辞が告げられ、水を打ったように静まりかえった会場に響くのは卒業証書授与のための担任教員の声。クラスごとに一人一人の氏名が読み上げられ、起立し終えるとクラス代表の生徒が登壇していきました。
フォーマルな場ということもあり、松井学校長から卒業証書を手渡されるクラス代表の表情はやはり凛々しいもの。10代前半の3年間の成長が見てとれるようでした。
引き続いての賞状・賞品授与では、丸泉理事長から日本私立中学高等学校連合会会長賞が今年度の中学生徒会長へ。コロナ禍のなか、中学生の代表として頑張ってきた受賞者の顔からは誇らしさと安堵が感じられました。
祝辞は高校時と同じく、学校長と理事長の二人から。
先に登壇した松井学校長は、米国第35代大統領、J・F・ケネディが大統領就任演説で話した一節を引用し、「『国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたは国のために何ができるかを考えよう』。大統領が言った国を家族や友だちに置き換え、あなたが家族や友だちに何ができるかを考えてみましょう。そのためには自分で考えること、これが社会で求められる力です」。と、4月からステップアップしていく卒業生たちに、意識を新たにする言葉を贈りました。
また、丸泉理事長からはこれも卒業生の認識を刷新するような話が。「『デジタルトランスフォーメーション』が進むこれからの時代、皆さんにいちばん大事なものは“考える力=思考力”です。皆さんはわからないことを先生に訊く場合、答えを訊くことだと思っていませんか?そうではなく、その事柄について多面的に情報を求めること。日本語では同じ『きく』であっても、英語でいうaskではなく“inquire”な姿勢を身に付けてください」。社会人になってからも役立つ貴重な話に、観客席は食い入るように聞き入っていました。
時間にしてわずか40分足らず。駆け足のように過ぎていった中学卒業式でしたが、閉式後は学年担任団の教員全員が観客席最前列に勢揃い。「君たちは本当によく頑張った。私たち学年の教員の誇りです」と、3年間の苦楽を共にしてきた学年主任の教員から中学生としては最後の言葉がかけられ、会場は誰もが温かな空気に包まれました。
この日、小寺ホール3階の中学新館渡り廊下入り口では、吹奏楽部中学部員による中3卒業生お見送りの演奏も行われ、手づくりで小規模ながらもお祝いの気持ちがひと際印象に残る卒業式となりました。
卒業生の皆さん、高校生になれば新しい仲間も迎え入れて、さらにグレードアップした姿を見せてください。
保護者の皆様には、3年間本校の教育活動にご理解とご支援・ご協力を賜りましたこと、あらためまして感謝申し上げます。
卒業生そして保護者の皆さん、この度は誠におめでとうございました。
▇令和2年度 三田学園中学校卒業式 式次第
開式の辞
卒業証書授与 卒業生247名
1組 代表 平野琉一、2組 代表 源 悠晴、3組 代表 野口光樹、4組 代表 長谷川 令、5組 代表 小路未祐、6組 代表 森岡 凜
賞状・賞品授与
日本私立中学高等学校連合会会長賞 村上瑞樹
学校長式辞 松井忠幸
理事長挨拶 丸泉琢也
閉式の辞