「AED」(自動体外式除細動器)は、痙攣し血液を流すポンプ機能をなくした心臓に、電気ショックを与えて正常なリズムに戻すための医療機器。すでに2004年7月より、医療従事者に限らない一般市民でも使用できるようになり、今日までに多くの心臓突然死に直面した人々の命を救ってきました。
本校ではこの社会の動きに先駆けて、人命救助の大切さを知り、現実的な場面に遭遇した際の具体的な対応を図れることを目的に、2000年より「心肺蘇生講習会」を毎年開いてきました。
救急医療等の関係各方面から専門家の方々に講師としてご来校いただいてきましたが、昨年と一昨年は社会状況(感染症拡大と地震災害)から開講を中止に。ようやく再開した今年は、本日8月31日(火)、本講習会初期の頃からお世話になってきました救急専門医で本校54回生のOBでもある切田 学先生(加古川中央市民病院救急科)に、「三田学園 心肺蘇生法の講義」と題して再登壇いただきました。
講習は本来ならば実技実習を伴う総合体験学習の一環として本校中学体育館も使いながら行ってきましたが、今年は感染症拡大防止対策を優先して講演のみのスタイルに。
お話の内容は生命維持の仕組みと心肺の機能に始まり、心臓突然死の現状や心肺蘇生法に関して心室細動や心停止といった専門的な知識も交えながら、最後は胸骨圧迫やAEDを使った蘇生法、三田学園校内のAED設置場所にまで及びました。
とりわけ、「電気ショックが1分遅れるごとに救命率は10%ずつ低下する」や「心肺蘇生は最初の5分が勝負」との強いメッセージをいただき、本日の聴講生=中2・高1・2の生徒たちには人命救助そのものが身近で重要なものとの認識ができたのではないでしょうか。
本校では、人命救助等の社会的意義の大きなテーマや課題に対して、今後も生徒の理解と実践に繋がる積極的な取り組みを行ってまいります。