かつては日本人の海外留学というと、海外に滞在すること、外国語を現地で身に付けることがその大きな目的と考えられていました。
時代は移り、現代は外国語の修得を前提に現地の大学等で特定の専門分野の知識や技術を学ぶことが当然と考えられるようになり、海外留学はグローバル時代に世界で活躍できるだけの素養を培う場となった感があります。
昨年来のコロナ禍から本校でも海外語学研修を相次いで中止せざるを得なくなるなか、グローバル教育においても「学びを止めない」ことを念頭に海外語学研修をカバーし、現状の制約のなかでも当初の教育効果を上げられるようなさまざまな試みを行ってきました。
その一つがこの「エンパワーメント・プログラム」です。
「エンパワーメント」(Empowerment)とは、「人が持っている力を引き出し、湧き出させる」ことを意味する言葉ですが、今回エンパワーメントするのは海外留学の希望者や英語の得意な生徒だけではありません。英語に苦手意識がある、将来に夢がない、自分に自信がない…といった語学にとどまらないネガティブ要素を抱える生徒たちこそが対象といえるかもしれません。
そんな初の試みとなる研修の説明会を1月8日(土)、図書情報棟に企画・運営の教育旅行専門会社を招いて開きました。
当日は第1部が研修の目的・内容・成果等、第2部がコロナ禍の海外大学進学についての2部構成。担当者の方からは、生徒5〜7人のグループに対して外国人留学生(グループリーダー)が1人つくこと、プログラム全体の進行役としての外国人講師(ファシリテーター)がアテンドしてくれること、グループワーク(ディスカッション&プロジェクト)がワークの中心になること、正解のない問いを海外の大学生と一緒に考えていくことで視野を広げること等、研修の特長や意義等が丁寧に説明されました。
研修期間中は毎日なんらかのプレゼンテーションがあり、参加生は全員がプレゼンテーションのスキルを自然に身に付けていくことになるようで、こうしたワークを通じてグローバル社会で活躍するうえでの必須能力を獲得しながら、人生を前向きにとらえ、大きな夢に向かって努力する姿勢も培うことになります。
自分の新たな可能性を発見し、将来を考えるきっかけをつかむ──生徒にとって、この研修がそんな機会になることを心から願っています。
▇エンパワーメント・プログラム説明会
日程:2022年3月28日(月)〜30日(水) 各日9:00〜14:20頃
場所:三田学園中学校・高等学校校内
対象:中学3年生〜高校2年生
定員:50名
※その他詳細は、説明会で資料を配付済みです。