令和3年度三田学園中学校卒業式

2022.03.30 学園通信

薄曇りの空の下、穏やかな時間が流れる春の日。

この3年間の年月と通い慣れた学び舎に区切りを付けるべく、去る3月17日(木)、小寺ホールを会場に今年度の本校中学卒業式を行いました。

長引くコロナ禍から、式典への参加者は先月の高校卒業式と同様に卒業生と教職員だけ。万全の感染症対策を施しながらも、会場には1年前と比べて随分とやわらかになった空気感が漂い、卒業生たちが開式を待ち受けるなか、保護者の方に向けたリアルタイムの動画配信も始まりました。

今年度は108回生にあたる卒業生が237名。彼ら彼女たち一人一人の表情からは義務教育を終え、4月から高校生になれるうれしさが隠しきれないように見えます。

しんとして厳粛なホールに開式の辞がこだますと、引き続いて卒業証書の授与。各クラス担任教員の読み上げる氏名に呼応して、卒業生が一人ずつ起立していく光景は本校卒業式で受け継がれてきたスタイルです。

クラス全員が起立し終えたところで、コロナ禍の現在はクラス代表の生徒1名が登壇。松井学校長から卒業証書を直に手渡されると、その引き締まった表情にはこの3年間の成長がにじみ出ているようでした。

続く賞状・賞品授与では、丸泉理事長から中学桜陵賞当該者の弓道部、卓球部、サッカー部の各卒業生たちに賞状と賞品が。授けられた彼らの脳裏には、コロナ禍にもひるまず努力を積み重ねてきた歳月、仲間と励まし合ってきた日々がフラッシュバックしたのではないでしょうか。

コンパクトな式典は、祝辞も学校長と理事長の二人から。

先にマイクに向かった松井学校長は、「今、世界には日常生活を奪われた人が大勢います。これから世界はどうなるのだろう?そんな不安もあるでしょう。しかし、どんな時代や状況下であっても、皆さんが学んできた知識、体得したスキルは決して奪われることのない皆さんの宝物です。高校生になっても、周りへの思いやりや気配りを広げ、将来社会に貢献できるように勉学に励んでください。さまざまなことに積極的にチャレンジし、経験を積んでいってください」と話し、不安定な世界社会情勢であっても勉学に励み、自分を高めることの重要性を語りかけました。

また、丸泉理事長は、「“きく”という日本語には英語のaskとinquireの両義がありますが、答えを聞き出すaskではなく、ある事柄について多面的に情報を集め、組み立て、創造する“inquire”こそがこれからの時代には求められます。これから高校生になる皆さんはこの“inquire”の姿勢を身に付け、高校生活に臨んでほしいと思います。高校では「総合的な探究」の授業、国際人としての資質と能力を養う「GCP」の授業もあります。楽しみにしていてください」と述べ、新しくなる高校での学びへ卒業生たちを誘いました。

約40分という短時間の中学卒業式でしたが、参加者の一言、一挙手一投足には卒業生への期待とお祝いの気持ちが込もっていて、中高6年間の折り返し地点にふさわしい式典として、そこにいた誰もに、そして動画をご覧の保護者の方にも伝わったことと思います。

式典の終了後、小寺ホールの外では中学最後のホームルームに向かう卒業生たちが、設置されたタブレットに向かって最後の一言。一方、小寺ホール内では学年主任の教員が「コロナ禍の下、生徒たちは物事をハナから諦めずに、どうやればできるか考えるようになってくれました。体育大会や文化祭、球技大会のできる方法を考え、成功させた姿は頼もしかったです」と、カメラに向かい、保護者の方に向けた最後のメッセージを。アカペラの「贈る歌」まで交えた熱い配信を通じて、これから始まる新たな3年間への意気込みを伝えました。

卒業生の皆さん、高校生になれば新しい仲間も加わる日々に、さらにグレードアップした姿を見せてください。

保護者の皆様には、3年間本校の教育活動にご理解とご支援・ご協力を賜りましたこと、あらためまして感謝申し上げます。

卒業生そして保護者の皆さん、この度は誠におめでとうございました。

 

▇令和3年度 三田学園中学校卒業式 式次第

開式の辞

卒業証書授与 卒業生237名

1組 代表 石橋直弥、2組 代表 畑田琉吾、3組 代表 佐古翔太郎、4組 代表 中村遼介、5組 代表 宮本莉玖、6組 代表 湯山大馳

賞状・賞品授与

中学桜陵賞 弓道部 柏原作太朗・小松颯人・奥田将太・宮前拓真

卓球部 浦田景太朗

サッカー部 神田航汰・今井悠暉・小池悠介・吉田吏輝・藤原凜生・石丸泰地・山本智仁・三崎啓介・谷垣徹平・姫田琢斗・西澤勇人・口羽教介・塩見一貴・辻本優也・福島遼斗

日本私立中学高等学校連合会会長賞 村上瑠実

学校長式辞 松井忠幸

理事長挨拶 丸泉琢也

閉式の辞