令和2年度 三田学園高等学校卒業式

2021.03.04 学園通信

春の到来を思わせるかのような、陽気に包まれた2月27日(土)。

今年度104回生・262名を送り出す、本校高校の卒業式を執り行いました。

会場の小寺ホールでは万全の感染症対策を施したうえで、卒業生と教職員だけによる簡略で簡潔な挙行。しかし、伝統の厳粛な雰囲気はそのままに、卒業生保護者の方には当日限定の動画ライブ配信を行い、一生に一度しかない高校卒業生たちの門出を関係者みんなでお祝いしました。

開式の辞で幕を開けた式典は、卒業証書授与から。会場内が水を打ったような静寂に包まれるなか、クラス担任教員がクラス一人一人の氏名を読み上げ、卒業生が起立し終えると代表の生徒が前へ。松井学校長から卒業証書が授与された後、代表はじめクラス全員が壇上に向かって深々と礼をする姿には、ホールを埋め尽くす拍手が鳴り響きました。

続いては、賞状・賞品授与。本校独自の桜陵賞は部活動等で顕著な功績を収めた生徒が対象で、名前を読み上げられた表彰者が順に登壇しました。最後の表彰だけに緊張した面持ちでしたが、丸泉理事長から功績を讃えられ、賞状と賞品を手渡されると、彼女たちの表情には晴れやかさがひと際増したように感じられました。

次第も所要時間も短縮されているため、祝辞は学校長と理事長のみの登壇。最初に、松井学校長からの式辞がありました。

「コロナ禍で学校行事や部活動の公式戦・発表会が中止され、大学入試改革の初年度でもあったこの一年。皆さんは不安ややり場のない思いでいっぱいだったでしょう。それでも、笑顔を忘れずに学校生活を送ってくれました。皆さんなら社会が大きく変わっても対応できるはずです」。未知の困難に直面した卒業生たちを労い、乗り越えたことでの成長を讃える言葉の一つ一つをその場に居合わせた誰もが嚙み締めました。

そして、丸泉理事長からもお祝いの言葉が。「私が三田学園を卒業して上京した当時、東京では周りがみな垢抜けて堂々としているように感じたものです。しかし、東京出身の同級生たちも田舎から出てきた私たちには気をつかっていたようでした。人間は新しい環境では不安を抱き、自信が持てずにネガティブになりがちです。そんな時は、昨日・今日よりも“明日”を考えるようにしてください。次に向かって進もうとする気持ちは、人を堂々とさせ、立ち居振る舞いにも自信を与えてくれるものです」。自身の体験談を基に、卒業生たちの門出に灯りを点すような温かなメッセージが送られました。

卒業生代表が母校に贈呈する記念品目録を読み上げ、学校長から謝意が述べられると、式典はいよいよクライマックス。送辞と答辞による喜びと感謝、そして惜別の気持ちが交錯しました。

まず、在校生代表の高校生徒会会長、榊原優斗さんからの送辞。「この一年、先輩方からは学校行事以外でも、『医療従事者に感謝の気持ちを伝えるプロジェクト』を通じて自ら考え動くこと、感謝を伝えることの大切さを学びました。存在が心強く、憧れの先輩方です。世の中がどんなに不確実でも、最後には希望の光に満ちあふれる道、自分の信じる道を突き進んでください」。前例のないこの一年にあっても、在校生の良きお手本だったと思いの丈を届けました。

答辞は卒業生代表の和氣優衣さんから。「コロナ禍の下、友人と顔を合わせ、同じ場所で過ごせることの幸せを何よりも感じました。他愛のない話やともに部活動・勉強で頑張ったことは、何物にも代えられない思い出です。終わりの見えない状況で何かに挑戦することは難しいことです。それでも、在校生の皆さんは恐れず、前を向いて私たちにできなかったことをやり遂げてください」。短く力強い言葉に託されたメッセージ、そこには卒業生たちの後輩と母校への尽きない思いのあることがひしひしと伝わってきました。

閉式の辞が告げられ、卒業生が退場するまで、式典は1時間余り。例年とスタイルは多少異なっても、巣立っていく若者たちの前途に幸あれと願う本質は変わらない。今年度もそんな卒業式を終えることができました。

なお、当日は式典の前後に高3担任団教員によるメモリアルスライドショーの上映、および学年主任から保護者の方に向けたご挨拶もありました。

卒業生の皆さん、三田学園はいつまでもあなた方の母校です。何かあれば、いつでも帰って来てください。

保護者の皆様には、長い間本校の教育活動にご理解とご支援・ご協力を賜りましたこと、あらためまして感謝申し上げます。

卒業生そして保護者の皆さん、この度は本当におめでとうございました。

 

▇令和2年度 三田学園高等学校卒業式 式次第

開式の辞

卒業証書授与 卒業生262名

1組 代表 進藤太一、2組 代表 奥野元太、3組 代表 木村亮翔、4組 代表 松田亜伊介、5組 代表 加藤百花、6組 代表 上田圭佑、7組 代表 木原一耀

賞状・賞品授与

桜陵賞 弓道部 田中希望・松𠮷麻貴、卓球部 福岡乃愛

日本私立中学高等学校連合会会長賞 和氣優衣

学校長式辞 松井忠幸

理事長挨拶 丸泉琢也

記念品目録贈呈 代表 鶴海皓大

送辞 在校生代表 榊原優斗(高校生徒会会長)

答辞 卒業生代表 和氣優衣

閉式の辞