春らしい穏やかな陽光の降り注いだ3月18日(水)。
小寺ホールを会場に中学卒業式を執り行いました。
折から、今日本では新型コロナウイルス感染症拡大予防に基づく、全国一斉の小中高休校の最中。本校でも、在校生の健康と安全を最優先に考慮して、3月2日から臨時休校措置をとらせていただきました。
それでも、休校から3週目に入った今週には、最小限度のタイムスケジュールを組んでの登校日を設定。17日(火)と19日(木)には、中3生を除く在校4学年の生徒たちがそれぞれに割り振られた日時に沿って登校し、感染予防対策の施された環境でお互いの健康や学習に関する近況を担任教員と共有しました。
そんな登校日の中日にあたった18日。中学卒業式はやはり可能な限りの感染予防対策(同席者のマスク着用と卒業生の1人おきの着席配置、ホール全体での換気等)と、必要最小限の式次第の下、簡略化したかたちで行いました。
保護者と育友会役員の方々には同席をご遠慮いただいた、この日の会場。BGMに誘われて卒業生が通路に現れると、彼ら彼女たちを見守る教職員の拍手が一際大きく鳴り響きました。
開式の辞が告げられると、早速卒業証書の授与へ。卒業生たちは一人ひとりの氏名がクラス単位で読み上げられると順に起立し、壇上の松井学校長を真っ直ぐに見つめることしばし。やがて、6クラス244名全員が起立し終えると、卒業生代表が登壇し、卒業証書を手渡されました。
さらに、賞状・賞品の授与では桜陵賞(部活動等で顕著な功績を収めた生徒が対象)、三田が丘賞(学外で特筆すべき活動をした生徒が対象)、そして日本私立中学高等学校連合会会長賞の各当該生徒が表彰。日頃はなかなか見せない緊張した面持ちのなかにも、随分と大人びた表情の感じられる授与式となりました。
先日の高校卒業式と同様に、式辞はこの日も松井学校長が代表して、次のような言葉を贈りました。
「今日私たちが手に入れられる情報の中にはデマやフェイクニュースもあります。私たちは正しい知識を得ると同時に、的確な判断ができる力を身に付ける必要があります。そんな時代に、『質実剛健・親愛包容』三田学園の建学の精神はいつ、どこでも人生の指針になるでしょう。この精神を具現化するべく、今まで以上に思いやりや気配りを広げ、勉学に励んでください」
時間にしてわずか30分余り。前例のあまりない条件下で異例のコンパクトさだった卒業式でしたが、その場に居合わせた誰もから「おめでとう」「高校生になっても頑張ろう」という気持ちがあふれ出していたのは、例年以上だったかもしれません。
この日、慣れ親しんだ中学校校舎から離れていった卒業生たちは、人工芝グラウンドを挟んだ高校校舎へと、桜の花の咲く頃には通い始めることになります。
本校中学での3年間を胸に、時間を共有した友人とともに、新しい高校生活でも思う存分充実した日々を過ごしてください。
卒業生そして保護者の皆さん、この度は本当におめでとうございました。