[シリーズ 自分発な三学生①]
スラムの子どもたちを見て、感じてきたこと
高2 岡本 望夢(みゆ)さん
「自分発、未来を創る人になる」。
本校では昨年度より新しいスローガンを掲げ、現在自主的で協働的・創造的な人物の育成を積極的に進めています。
この目標に沿うかたちで、さまざまな「自分発」の活動を行う生徒たちが続々とあらわれていますが、今年の夏には自ら国際ボランティアとしてアフリカ・ケニアへ渡った女子生徒がいました。
高2の岡本 望夢さんは、なぜ国際ボランティアをしようと考えたのか?現地ではどんな活動をし、何を得てきたのか?
いつもとは大きく違っただろう彼女の「ひと夏の体験」談を、その熱い思いとともに語ってもらいました。
(聞き手:本校・花房哲也教諭)
世界には1日10円で働く子どもがいることを知った
今年の夏休みに、岡本さんは国際ボランティアをしに出かけてきたということですが、どこへ行ったのですか?
岡本 ケニアです。東アフリカにある赤道直下の国(南緯1度17分/東経36度49分)で、日本からは飛行機で20時間くらいかかります。7月28日~8月11日の日程で行ってきました。
赤道直下?現地はとても暑かったのではないですか?
岡本 暑いイメージを持っていたのですが、意外にも現地は涼しかったです。朝は10℃くらい、昼も21〜22℃、年間平均気温が25℃で、気温が上がっても湿気が少ないので元々が年中過ごしやすい気候だそうです。滞在中は乾季で、季節としては夏。朝と夜、それに雨が降ると寒いくらいでした。
首都へは立ち寄りましたか?
岡本 はい。ナイロビにはケニア到着後と帰国前に。とても都会だったのでびっくりしました。日本にもあるようなビルやホテルがたくさん立ち並んでいました。ただ、治安上はリスクのある所だとされていましたが。そうですね…日本であえていえば三田駅前くらいの感じでしょうか(笑)。
へえ(笑)。また、どうしてケニアへ行こうと思ったのですか?
岡本 小学3年生の時、テレビで発展途上国に関する番組を見ました。黒人の女の子が(日本円換算で)1日10円で必死に働いている様子を見て、世界には低賃金で働いている子どもがいることを知りました。私はそんな所へ行きたい。行って困っている人を助けたい、そう強く思いました。だから、今回アフリカへ行きました。ボランティアなら日本でもできるといわれましたが、海外ボランティア・インターンシッププログラムの運営を行っている団体を自分で調べ、そこが主催している高校生向けプログラム※1.に応募しました。渡航先の国はたくさんあったのですが、なかでも民族や文化がとても魅力的に感じたケニアへ行くことにしました。そのプログラムには、2週間の予定で世界中から高校生が集まっていました。
ケニアの首都・ナイロビ市内(左)と、現地の子どもたちから送られてきたお礼状(右)