中学特別文化講演会 昭和電工株式会社取締役会長 高橋恭平氏   

2016.09.08 学園通信

2学期が始まって間もない9月1日(木)、総合化学メーカーの昭和電工株式会社から取締役会長の高橋恭平氏をお招きし、特別文化講演会を開きました。

今回は本校中学生を対象とした講演で、当日は中1・239人、中2・235人、中3・227人の計701人が聴講。広い小寺ホールを埋め尽くす生徒たちが今か今かと待ち受ける中、高橋氏が壇上のマイクに向かわれました。

講演のテーマは、化学メーカーにふさわしく「化学は不思議、面白い!!」。生徒たちには事前に「元素周期表」が配られており、高橋氏のお話の内容に合わせてこの表を参照しながら聴講するというスタイル。そして、講演は高橋氏の「中学3年または中高6年間で何でもできる基礎を身に付けなさい」というメッセージからスタートしました。

今回の講演には、話の軸となるキーワードが設けられていました。それが「元素」でした。

スクリーンには今年113番目の新元素「二ホ二ウム」(ウンウントリウム)を発見された森田浩介氏(理化学研究所)を皮切りに、ノーベルやアインシュタインら世界の歴史的な科学者の顔が次々に投影。業績から彼ら一人一人の名を冠した元素の話へと移行すると、生徒たちの意識もごく自然に「元素の世界」へと引き込まれていきました。

自動車やリビングルームを例に、日常生活にはどれだけ多くの化学製品が使われているか?のわかりやすい事例には、生徒たちも頷くことしきり。

錬金術から元素周期律表の発明者・メンデレーエフ、二ホ二ウム、レアアース、さらに原子•分子へと元素の話題が次々と飛び出してくるにつれて、講演はいよいよ佳境。

締めくくりには科学オリンピックの話題、そして本校中学生への再度のメッセージ。二ホ二ウム発見者の森田氏は8年間で400兆回実験し、成功したのはたったの3回だったというエピソードや、エジソンの「私は失敗したことはない、ただ1万通りのうまくいかなかった方法を見つけただけだ」という言葉を引用しながら、「失敗してもいい。中学生の間にやりたいことを見つけなさい」「これからに向けて英語をマスターしなさい。自分の言いたいことを伝え、相手の言いたいことを理解できる生きた英語・言葉を身に付けなさい」と、最後には再び熱いエールを送ってくださいました。

難しく思われがちな化学がテーマでも、映像を含む豊富な資料と生徒目線の丁寧な解説で60分間飽きさせることなく講演された高橋氏。

花束贈呈時に生徒代表が「化学に興味が湧きました」と話してくれたように、高橋氏のお話がきっかけで三田学園から新たな化学者、科学者が生まれることを期待しています。

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